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チーム制作のバッドノウハウ

※この記事はみす裏アドベントカレンダーの 21 日目の記事です。

こんにちは、MIS.W の OB の takashina です。
お前誰だ、と思った方は語感からなんとなく察してください。

タイトルにあるバッドノウハウというのは、直訳すると「悪いノウハウ」という意味になります。つまり、あまり上手くいかないことがわかっているやり方のことです。アンチパターンとも呼ばれますね。まあ、反面教師みたいなものです。

今回は、チーム制作(じゃないのも一部混ざってますが)におけるバッドノウハウについて、自分が見聞きしたり実際に体験したものの中から、いくつか紹介していこうと思います。

目次

  1. 経験不足
  2. 自分でやった方が早い病
  3. 構想に時間をかけすぎる
  4. 完璧主義
  5. 最大公約数で作ってしまう
  6. 誰かが作りたいものを押し付ける
  7. 当事者意識が希薄
  8. 企画員同士の関係が希薄

1. 経験不足

いきなり実も蓋もないことを書いてすみません。というかノウハウじゃない。

この項目をあえて作ったのは、自分が経験したことでないと見積もりはできないということを強調しておきたかったからです。

たとえばこれからアクションゲームを作ろうとなったときに、他のゲームを作ったことがあれば、「この部分にはこれを使えばいい」という具合に、自分がやったことがある部分については見通しが立ちます。すると、あとは残りの、やったことがないところを埋めるように調べていけばよいことになります。

しかし、まったく初めての状態というのは、その「少なくともここは大丈夫」という領域がないことを意味します。つまり「取り付く島」がないのです。これはなかなか大変です。やったことがないので、どれくらい時間がかかるのか分かりませんし、そもそも何から始めたらよいのかすら分かりません。

これは能力がないというよりも、単純に経験不足なので、いくら悩んでも仕方ないと思います。周りのできる人に教えを請ったりして頑張りましょう。頼れる人がいない場合は……頑張りましょう。

2. 自分でやった方が早い病

当たり前ですが、チームで作る以上みんなで協力して作った方が早いです。

しかし、企画長が闇に飲まれると、この当たり前を忘れてしまうことがあります。それが「自分でやった方が早い病」です。下手に要領が良かったりするとこの病気を発症しやすいです。

確かに一つ一つの仕事だけ見ると、自分でやった方が早くて、質も高いのかもしれません。でも、仕事の数が増えると、企画長は目の前に山積みの、一つ一つは細々とした作業の処理にとらわれることになります。

これがなぜ危険かというと、作業をしているとなんとなく「自分は仕事をしている」という気持ちになって、安心してしまうからです。すると企画長は、本来の仕事である、作品全体を見通して計画をたてたり、お互いに意見を言いやすい空気を作るといった仕事をおざなりにしてしまうことにも繋がります。

また、それ以上に、シンプルにつらいです。仕事量的にも精神的にも。そうなりたくなかったら、やっぱり信じて任せるということを覚えるべきなんだろうと思います。出来に納得いかなくても、自分で上書きしてしまうのではなく、丁寧に説明して作りなおしてもらうのも必要なのでしょう。

3. 構想に時間をかけすぎる

これは特に、初めて作るときに陥りやすい罠だと思います。

「何から始めればよいのかわからないから、とりあえず構想から入ろう」みたいな。それで永遠に作業に入れないという……。ウッ頭が。

これを解決する最もシンプルな方法は、手を動かしながら考えることです。
これには作業をすることによってアイデアが浮かぶという相乗効果もあります。

しかし、このやり方は、作りながら考えるという性質上、作り直しになることも多く、手戻りのコストが大きい場合には、構想を終えてから作業に入る形の方が有効な場合もあります。その最たる例が建築です。建築家の気分で建て直しとかなったらやってられませんね。

ただし、「経験不足」の項でも言いましたが、見積もりにはそれなりの経験が必要なので、初めてなら手を動かしながら考えた方がよいと思います。

4. 完璧主義

「完璧を目指すよりまず終わらせろ」という言葉があります。

これは「些細なことに拘泥するよりも、とにかく手を動かしてプロトタイプを作ってしまえ」という意味だと思います。実際、構想ばかりしていて作業に進まないとかはあったりするので、その通りだと思います。

「完璧に陰影のつけられた1セント硬貨」という言葉もあります。

これはつまるところ、資源の最適化の話なんだと思います。どうでもいい枝葉の部分なら、さくっと作ってしまう。そして作品のコアの部分には、ある程度時間を注ぎ込んで、納得できるものにするという。

5. 最大公約数で作ってしまう

仕事などでは起こりづらいと思いますが、趣味で作っているサークルの場合は、それぞれが作りたいものを好き勝手に盛り込んだ結果、統一感のない作品になってしまう……というケースはあると思います。

このような事態を防ぐには、どこかで作品を一つに統合する視点が必要ですが、企画員同士が自由に意見を言い合える空気になっていないと、お互いどこまで踏み込んでいいのか分からず、そのままなんとなくで行ってしまいやすいようです。

これに関しては、企画員同士が自由に意見を言い合える空気を作ること、そしてどうしてもコンセンサスが得られない場合には、企画長が責任をもって決めることも必要だと思います。

6. 誰かが作りたいものを押し付ける

これは特に企画長が注意する必要があります。

もちろん「これを作りたい」と集めた企画であれば、ある程度その方針に沿って作ってもよいとは思いますが、同時に人を集めた時点でそれは「みんなの企画」でもあるのです。たしか以前現役アドカレにも書かれていましたね。

ただ「みんなの作りたいもの」にすると、先ほど言った最大公約数になってしまいます。

なので、「みんなの希望」をすべてくみ取ることを目指すというよりも、ある決定をするときに、なぜそれが作るに値するのか、その機能を入れることでどんな良いことがあるのかなどを、納得してもらうことが大事なんだと思います。

意味が分からないことを企画長の言いなりにやれるほど、企画員も暇じゃないですし、そんな義理もないです。

7. 当事者意識が希薄

これはどちらかというと企画員が注意する必要があります。

当事者意識というのは、いわば「自分が何とかしなきゃいけない感」のことです。企画の中でどれだけの人がこの気持ちを持っているかが、企画の成功を左右すると言っても過言じゃないと思います。

初心者ばかりでも、そういう気持ちの人たちが集まっていれば、完成します。
経験者がたくさんいても、誰も自分の作品だと思っていなければ、失敗します。

特に初めはみんな受け身になりがちですが、何も言わなくても自分から色々言ってきてくれる人もいて、そういう人は本当に天使に見えます。

この気持ちが試されるのは、特に企画がうまくいっていないときです(うまくいっていたら楽しいのでみんな積極的になるのです)。

企画がおかしな方向に向かっていて、何とかしたいと感じているなら、問題点をあげつらうだけでなく、自分から何か提案するなどして態度で示すのが大事だと思います。

逆に企画長は、企画員に何か言われたら、一度立ち止まって考えてみてください。文句を言うだけの人と、あなたを信じて伝えてくれた人を取り違えないように。

8. 企画員同士の関係が希薄・ぎすぎすしている

だらだら書きましたが、ぶっちゃけここまでの問題のほとんどってここに帰着する気がするんですよね。
自由に意見を言い合える空気とか、おかしいと思ったらちゃんと言って、企画長もそれに応えるとか。仲が良ければ問題ないのでは、みたいな。

参考までに、以前読んだスクラムの本にこんな文章があったので紹介させていただきます。

チームメンバー全員がもともとの顔見知りや気の合う仲間であることはまれです。組織の中で寄せ集められたメンバーがチームとなるには、スプリントを繰り返してお互いを理解し、認め合うための時間が必要です。

エモい……。


おわりに

さて。ここまで書いたのはバッドノウハウとその対策という、いわば「マイナスにならないようにする術」でしかありません。そこから先は、やはり才能とかセンスの世界になっていくのかなと思います。これはもう創作の業みたいなものなので仕方ない。

企画が上手くいかないと、まあしんどいですが、失敗を見つめて悪かったと思うところを直して次に繋げていくことが大事なんだと思います。ありきたりですね。

さて、文字ばっかの記事になってしまいました。最後まで読んでくれた人はいるんでしょうか。私だったら絶対読みませんけどねこんな長文。嘘ですありがとうございます。

ではでは。